うっとうしい蚊を退治してくれる夏の必需品「蚊取り線香」。
昔からある殺虫用品ですが、皆さんは効果をしっかり知っていて、かつ正しく使えていますか?
なかにはただ焚くだけで蚊を落とせると思っている方もいるようですが、使い方次第では全く効果が出ないこともあります。
そうならないためにも、蚊取り線香の効果・使い方を知って、この夏を快適に過ごしちゃいましょう!
蚊取り線香はなぜ蚊に効くの?
市販されている殺虫用品の多くはピレスロイドという成分が含まれています。
このピレスロイドは除虫菊(シロバナムシヨケギク)という花に含まれている「ピレトリン」という殺虫効果を持った成分に似せて作った化合物で、合成ピレスロイドとも呼ばれます。
蚊取り線香にもこのピレスロイドの仲間である「アレスリン」が含まれているので殺虫効果があるというわけです。
ピレスロイドの特徴
殺虫効果がある成分はほかにもありますが、
家庭用として使われているほとんどの殺虫剤にはこのピレスロイドが使われています。
それはこの成分の素晴らしい特徴のためです。
① 速効性がある
微量でも害虫にすぐ効きます。
② 嫌がって近づかない
殺傷効果の低い濃度でも、嫌がって近づかなくなる効果があります
③ 追い出し効果(フラッシュアウト)がある
家具の後ろなどにいる害虫に噴射すると明るいところに出てきて死にます。
④ 安全性が高い
害虫・昆虫には効果が高いですが、哺乳類や鳥類などの体内に入っても、速やかに分解・排出されます。
これらに加え、ピレスロイド系の仲間には致死性が高いモノ、揮散性が高いモノなどの効果があるモノもあります。
蚊取り線香が効く害虫は?
成分のピレスロイドは虫全般に効くので、結構いろんな害虫に効果があります。
・蚊
・ハエ、コバエ
・蛾
・ゴキブリ
・ダニ
・シロアリ
・ノミ
・ムカデ
Etc…
しかし、蚊取り線香が効果を発揮するのは蚊・ハエ・小さな蛾くらいです。
これは蚊取り線香が出す煙の量がこのサイズの虫にしか影響を与えないため、そしてピレスロイド系のアレスリンはハエ・蚊に特効・速効性があるからです。
蚊取り線香は殺虫力がない!?
アレスリンを含んだ煙が蚊を落とすわけですが、正直その効果よりも
嫌がって寄り付かない効果のほうが高いんです。
なので、蚊取り線香は蚊を駆除することよりも、虫除けとして使うものだと思った方がいいです。
蚊取り線香の正しい使い方
効果をしっかり引き出せる正しい使い方で夏の蚊を撃退しちゃいましょう!
基本は風上
屋外、屋内でもまんべんなく煙が流れるように風上におくのは基本中の基本です。
低い位置に置く
バカと煙は高いところが好き…ということわざがあるように煙は下から上に向かいます。
高い位置にしか煙がいかないと足元を蚊に食われたりしますよ。
なので、できれば床に近いところに置くようにしましょう。
風がないときは蚊の出そうなところに
風で煙を流せないときは蚊の侵入口である窓やドア付近に置きましょう。
また、数分おきに置き場所を変えて煙が一箇所にたまらないようにするのも大切です。
換気も大事
煙が充満しすぎると、頭痛やめまい、咳や目の痛みといった症状が出たりします。
あまり風通しが良くないときは窓を開けたり、扇風機やうちわなどで換気するようにしましょう。
効果のある範囲は半径2m
商品にもよりますが、蚊取り線香の効果範囲は風通しのいい屋外で半径2m、風通しの悪い室内で約6~8畳だそうです。
煙の濃度によって効果が変わってくるので、もし広い場所や風通しのいい場所で使うなら複数個を同時に使ったほうが効果的ですよ。
また、一本で6~7時間使えるのでおやすみ中などにも使えます。
蚊の繁殖抑制に使う
あまり知られていないことなのですが、
蚊の繁殖しそうな場所に蚊取り線香を焚くことで、蚊の発生を防ぐこともできます。
原因を元から絶つという意味でも効果的な使い方ですよ。
蚊の発生を防ぎたい方はこちらの記事もオススメ!→蚊を撃退・寄せ付けない対策まとめ
最後に
いかがでしたか?
蚊取り線香は人体への安全性、持続力が売りの殺虫用品です。
そのかわり、
蚊やハエにしか効かない、使い方によって効果がでない
といった難点もあります。
でも、その難点さえクリアできれば、これほど頼もしいものはないと思うので、この夏から是非活用してみてください。