日本一の芋煮会、庄内風と内陸風の違いは何?各レシピも大紹介!

芋煮会1肌寒く感じてくる秋の中、東北地方では「芋煮会」との名称で、

外で鍋を囲む光景が見られるようになります。

 

今回は、東北出身の筆者が山形・宮城で伝統的に続いている

芋煮の歴史や、各地の味の違いについてまとめていきます。

 

皆さんも農地の魅力が詰まった東北秋の鍋会に是非お越し下さいね。

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芋煮の歴史を紐解く

 

私の地元では「なべっこ」と呼ばれるきりたんぽや、

だまこ鍋などを川原や広場で食べる食べる秋の行事がありますが、

今回ご紹介する「芋煮会」は、少し悔しい気もしますが、

全国的にも知られている秋の風物詩です。

 

芋煮の歴史は、かの有名な徳川家康率いる東軍と

石田光成を含む西軍とが対立した

関ケ原の戦いが勃発した1600年まで遡ります。

 

その当時、山形市にある中山町長崎と呼ばれる場所が、

日本三大急流としても知られる最上川を利用した物資の

船運搬の最終地点でした。

 

しかしすぐに連絡のつかない時代ですから、

荷物が中山町長崎に届いた事を知るのにも時間が掛かりましたし、

ましてや車なんてありません。

 

ですので、この届いた物資を取りに来るのにも時間が掛かります。

 

この待ち時間、物資を運んで来た船頭さんはヒマでヒマで

どうしようもなかったことでしょう。

 

しかし、有り難いことにこの中山町長崎の近くでは、

里芋が沢山収穫出来ましたので、

自分達が運んでいた物資の中のマダラと一緒に

鍋に入れて食べるのが流行したのだそう。

 

その後も山形の花として有名で、

松尾芭蕉も詠んだ「紅花」の商人達が

里芋をニシンと一緒に鍋に掛け、

お疲れさん会を開いたのだとも言われています。

 

おつかれさん会と言えば、サラリーマンが開くイメージがありますが、

時代は違えど、大盛り上がりだったのでしょうね。

 

川原で開いたこの会が、

現代も続く「芋煮会」の起源であると言われています。

 

 

芋煮論争って?

 

芋煮会2

 

「芋煮論争」と言ってしまえば大げさなのですが、

有名なのが「醤油派」「味噌派」ではないでしょうか。

 

ラーメンの話かと思いきや、山形では芋煮のことなのです。

 

山形県で一般的とされているのが、

お肉は牛肉を使用し、味は醤油味で調えるといった

あっさり味の仕上がりが特徴です。

 

反対に米所でもある庄内平野が広がる地域では、

豚肉に味噌味が定番で、白菜・ゴボウ・大根などの

秋・冬の季節野菜の他に豚汁に入れても美味しいきのこ類、豆腐も加えます。

これは温まりそうですね。

 

また、宮城県でも食されるのが、「庄内スタイル」の味噌味です。

私としては、地元の郷土料理「きりたんぽ」が醤油ベースの為、

醤油味が気になりますが、豚汁も大好きなので両方楽しみたいところです。

 

並べてみますと、醤油+牛肉の「村山スタイル」

味噌+豚肉の「庄内スタイル」

醤油+豚肉+きのこで「最上スタイル」

醤油+牛肉+ニンジンや大根、ゴボウの他に糸こんにゃくが入った「置賜スタイル」があります。

 

それぞれ地域の特産物を入れ、

採れない材料などを補ってきた形が今に繋がっているのですね。

 

青森以外の東北5県で食される芋煮ですが、

宮城・岩手・福島が味噌味。山形と秋田が醤油味。

 

また肉は、宮城と岩手、福島が豚肉、山形が牛。

秋田はやはり、きりたんぽの比内地鶏が名物ですので、

鶏肉を使っています。

 

確かに比内地鶏コクのある濃くて黄色い油が

浮いてとってもおいしいのです。

 

山形が牛肉を使うのも、有名な米沢牛の影響なのかもしれませんね。

 

 

おすすめの芋煮レシピ

 

芋煮会3

 

みそ+豚を使用した仙台風芋煮と、醤油+牛肉を使用した山形風芋煮

豆腐におあげが付いている厚揚げを入れてボリュームたっぷりの

庄内風芋煮のおすすめレシピをご紹介します。

 

 

山形内陸風芋煮

 

①里芋は、ある程度の形で乱切りにします。

②こんにゃくと豆腐は手でちぎります。

③里芋とこんにゃくを鍋に入れ、1度さっと茹でたら水洗いでぬめりを取り除きます。

④ゴボウをささがきにしたら、先程の里芋とこんにゃくと共に煮ていきます。

⑤その他の野菜は銀杏切りに、きのこと牛肉は口に合わせた大きさで切りましょう。

⑥切り終えたら、この野菜と牛肉を里芋とこんにゃくの鍋の中に投入します。

⑦箸を通してみて、固くなければOKの合図です。

 

アクを取りつつ、火が全体に回ったところで最後に豆腐と白菜を入れて、

だしの素・砂糖・醤油で味を調えたら完成です。

 

 

山形庄内風芋煮

 

①里芋は乱切りにし、こんにゃくも手でちぎって、水にさらしておきましょう。

②乱切りにした里芋・こんにゃくに、ささがきにしたゴボウを加えて煮ていきます。

③里芋・こんにゃく・ゴボウを煮た鍋の中に、食べやすい大きさに切った牛肉を加え、

鍋の要でアクを取りながら煮立てていきます。

④こちらも箸を使って里芋の固さを見ていき、柔らかくなったところで、

醤油・砂糖・酒を加え白菜やちぎった豆腐、きのこ等を追加します。

全てに火が通ったら完成です。

 

里芋が柔らかくなったところに、味噌と厚揚げを加えた庄内・最上の芋煮スタイルに、

今度は豚肉と油揚げ又は厚揚げが加わります。

 

先ほど紹介した山形の内陸の芋煮とは異なり、

味は仙台風に味噌・砂糖・酒も加えて整えます。

 

 

仙台風芋煮

 

①里芋は乱切りに、こんにゃくは庄内風動揺に手を使ってちぎり、水にさらしてぬめりを取っておきます。

②里芋・こんにゃくにゴボウのささがきを加え、水を入れて煮ましょう。

③白菜やきのこは食べ易い大きさにカットした後で鍋に投入し、

所々で豚肉や野菜から出るアクをすくい取ります。豆腐も適度な大きさにちぎって

おぼろ風になるように投入しましょう。

④里芋には箸を挿し、程良い柔らかさになったら、

味噌・砂糖・酒を入れて味を付け、ネギを散らしたら完成です。

 

 

並んででも食べたい!日本一の芋煮会フェスティバル

 

芋煮会4

 

山形で開かれる「日本一の芋煮会フェスティバル」

テレビなどでご存知の方は多いかもしれません。

 

直径6mもの大きな鍋で、ボランティアなどの手によって掘り出された里芋が3t、

牛肉が1.2t、コンニャクとネギが3.500個。

 

そして山形風の味付けの為の醤油が700ℓにお酒が50升、

砂糖なんか200kgも入れて、水6tの中でぐつぐつと煮てしまうのですから圧巻されます。

 

この大鍋には内陸風芋煮を作る6mの物と、庄内風を作る3mの物があるようですが、

どちらもまずは300円の引き換え券を手に入れなければ食べることは出来ません。

 

その上6mの芋煮は、この引き換え券の他に、整理券まで必要ですが、

わざわざ遠い所から来て食べられないのは後悔しそうですね!

 

しかし、この芋煮会には、予約さえすれば内陸風の醤油味芋煮が

食べ放題で楽しめるスペースも用意されているのです。

 

その正体は「芋煮茶屋」です。

 

大鍋で作られた芋煮ではありませんが、

こちらも負けず劣らず、美味しい芋煮なんですよ。

 

お値段は、前売りで大人2.000円、当日は2.500円

少し豪華なランチ並にしますが、あの人ごみの中では落ち着いて食べられない方や、

お子様連れは特設テントが嬉しいですね。

 

メニューは醤油と味噌味の芋煮に、おにぎり、お新香、玉こんにゃく、

飲料に月山天然水がセットで付いてきますからお値段分の価値はありそうですね。

 

先程もお話したように「醤油味芋煮」は食べ放題、

とのことで山形県の内陸風芋煮を沢山味わうことが出来そうです。

 

この「芋煮茶屋」の予約は2014年、9月1日で締め切られてしまいますので

公式ページの申し込みフォーム、

又は各旅行会社のパンフレットなどの用紙からお申し込み下さいね。

(日本一の芋煮会フェスティバル公式HP)

 

さて、2014年の「日本一の芋煮会フェスティバル」の開催日は、

9月14日の日曜日となっています。

 

肝心な芋煮の配布は11時からですが、

全国的にも有名な芋煮会ですから配布券を手に入れる為にも、

早めの来場がオススメです。

 

また、芋煮フェスティバルの準備として

2014年9月16日の午前8時30分からは山形市落合スポーツセンター道路脇の畑にて、

芋煮に使用する「里芋堀り」のボランティアを募集しています。

こちらに参加して、自分の手で掘った里芋が大勢に振舞われることを考えると、

きっと感動することでしょうね。

こちら、2014年8月25日までの申し込みですからお早めに!

 

夏~秋の季節の変わり目は子供の頃から寂しい気持ちになるものですが、

おいしい味覚を五感を使って楽しめる「芋煮会」に、

皆さんも参加してみては如何でしょうか。

 


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