冬になると道路が凍結し、交通事故も多発します。
雪国育ちの筆者は、ブーツにもスパイク付きのもの
(最近あまり金具が付いた物がなく寂しいですが)を選んでいましたが、
少し南の方に行くだけで、同地方なのに雪の中を、
ローファーやシューズで歩いている人の多さに驚きました。
雪の降らない地域ならではなのかもしれませんが、
これでは突然の豪雪に備えられないのではないかと思ってしまいます。
現に一昨年の冬には普段雪の降らない地域での積雪もありましたね。
私の目の前を軽快に歩いていたおじさんがすってんころりんと転び、
恥かしそうに雪を払っていたのを思い出します。
ましてや、下がアイスバーンになっていると気が付きませんので、
スパイク付きを履いている私でも、転んでしまいます。
人対道路でもこの有様ですから、車でしたら大事故に繋がってしまいます。
今回は、雪道で装着するタイヤチェーンの種類と比較、装着のコツと、
タイヤ自体を交換するスタッドレスタイヤとの比較を行っていきます。
タイヤチェーンのパターン
スノータイヤ、スタッドレスタイヤ、一昔前まで冬タイヤとして使用されていた
スパイクタイヤと、タイヤに種類があるように、
タイヤチェーンにも金属で出来た物(金属チェーン)、
ゴムで出来た物(非金属チェーン)、布で出来た物(布製チェーン)と
大きく分けて3パターンの種類があります。
冬に、遠方から荷物を運んでくる大型トラックに多く見られる
金属チェーンが最も馴染み深いかと思いますが、
それぞれのチェーンの特徴についてまとめていきましょう。
①金属チェーンの場合
先程述べたように、高速道路のパーキングエリアなどで
大型トラックが装着しているチェーンは殆ど金属のような気がします。
この3パターンのチェーンの中で値段が最も手頃な他、
鎖のようにまとめて置けますので、持ち運びにも便利です。
念の為に車に常備しておくにはうってつけのチェーンではないでしょうか。
ただ、金属なので道路との接触時に、ストッパー効果が大きい分、
騒音もガラガラと大きめです。
気になる使用期限ですが、正しく使用し、錆が付かないよう手入れをしていれば
普通であれば5年程持つものを、その倍の10年程度使えるという点は、
コストパフォーマンスとしても大満足ですね。
②非金属チェーンの場合(ゴムチェーン)
金属のようにガッツリとした食い込み効果がない分、
金属の材質より滑り止め効果は弱くなりますが、
騒音が出にくく、スピードも金属より出せるのがゴム製の特徴です。
また、非金属チェーンの耐久性は5年程。
金属チェーンよりもかざばるので、収納スペースが多めに必要になるかもしれませんが、
タイヤを包み込むようなネット形状ですので、
取り付けの簡単さに人気が出ているようです。
こちらもお買い得ですね。
③布カバーの場合
近年、金属・非金属チェーンに代わるものとして注目されているのが、
布で作られたタイヤカバーです。
見た目は全くチェーンではありませんし、
薄い布をタイヤの上に被せただけのように見えますが、
この布は車のスリップを止める役割を担った特別な仕様が施されているのです。
このように凄い布なのですが残念な事に、
チェーンとして認められない場合もあります。
不安な方や、雪国でのチェーン規制に遭遇するとして
念のために、金属・非金属チェーンも一緒にトランクに入れておきましょう。
分からない場合は、規制の際、交通管理をされている方に尋ねるのが1番ですね。
スタッドレスVSタイヤチェーン効能対決
ではここで、タイヤごと交換して雪に備える、
雪国としては当然必須な「スタッドレスタイヤ」と、
レジャーで積雪地に行きことが多い方にオススメな
「タイヤチェーン」とを比較してみましょう。
管理について
タイヤチェーンの場合は、ただの鎖ですから
基本的には折りたたんで、社内のトランクに非常用として設置しておきましょう。
逆に、スタッドレスタイヤはあくまでもタイヤですから、
それなりのスペースが必要となります。
目安はドラム缶の1缶です。
値段について
チェーンはお手軽で、15.000~30.000円あれば手に入ります。
逆に、スタッドレスタイヤ購入は、安くても60.000円、
良い物を求めると100.000円を超えてしまいます。
しかし、音静かさや、ピタッと位置で止まることが出来るなど、効果にも直接表れます。
ブレーキを掛けて、初めて良い物との違いに気が付くこともあるとか…。
着用について
チェーンの場合は、片方に巻くだけで1分程で着用完了です。
従来よりも簡単になり、単純動作で初心者にも簡単に付けられるチェーンも出てきました。
自分で出来ない場合は、チェーンを売っていたお店などに相談してみましょう。
また、スタッドレスタイヤの場合は、ガソリンスタンドなどのタイヤ販売店で、
専門のスタッフに取り付けて頂くのが最も安心出来ますね。
車への影響
金属チェーンの場合は、鎖の固い部分が、
アルミのホイールを傷付ける恐れがあります。
それに比べてスタッドレスはタイヤを付け替えますので、
何かを傷付ける心配がないことがメリットになりますね。
使用可能年数について
使用可能年数ですが、チェーンは材質によって異なり、
それぞれ「タイヤチェーンのパターン」でお伝えした通り、
最も長く使用出来る金属チェーンで10年、その他の材質の物は5年以内となっています。
これに対して惜しいのがスタッドレスタイヤです。
こちらは走れば走るだけ磨り減って、滑りやすくなりますので、目安は3年です。
半分以上減ってしまったと判断した場合は、
使用年数に関係なく交換した方が良いでしょう。
速度制限
安全に運転する場合は、チェーンやタイヤが耐えられる速度に注意して運転しましょう。
スタッドレスタイヤに制限はありませんが、
チェーンの場合、金属<樹脂・ゴムの順で速度規制があり、
金属チェーンでは前に述べたように30km以下のスピードで走らなければなりませんし、
他材質も50km以下のスピードである必要がありますから、
運転する際には忘れないようにしましょう。
コツを伝授!チェーンの取り付け方
今回は、ハシゴ型の金属チェーンの取り付け方と、
ゴム製のサイルチェーンの付け方についてまとめます。
金属製ハシゴ型
①タイヤを付けたい自分の車が、前輪駆動なのか後輪駆動なのかを
事前に確かめておきましょう。
前輪駆動ならば前に、後輪駆動ならば後ろに、チェーンを取り付けます。
チェーンは平らで、周囲に物がない場所で取り付けを行うと、作業が行いやすいです。
②取り付けやすいように、ハンドルを片側全開に切り、車を停めておきます。
③チェーンをタイヤに合わせて、開きます。
この時はしご状になっている継ぎ目が見える方が表となりますので、
絡まることのないように注意しましょう。
④そして、チェーンをタイヤに被せていきましょう。
裏側がタイヤに接する面になっていると、タイヤのサイドウォールが擦れて傷付き、
タイヤ破裂の原因になります。
⑤そのまま手を入れて、タイヤの内側に付いている金具を
チェーンに引っ掛けて留めましょう。
⑥外側の金具も留めたところで、このチェーンを
ゴムやスプリングを使って引き上げてから釣り下げましょう。
これで、チェーン装着は完成です。
チェーンを巻いたタイヤを着用した車は運転の難易度が上がっていますから、
初心者が過信して、大きい道路に出ずに、
まず車通りの少ない道路で慣らしてから出掛けるようにしましょう。
非金属サイルチェーン
ゴム製の場合は、金属よりも付け易いのがゴム製チェーンの特徴です。
早速観てみましょう。
①こちらも、前輪駆動車であれば前輪に、後輪駆動車であれば後輪に着用して下さい。
付ける位置が決まったら、ゴムを被せていきます。
②ゴムを三角形の形にし、一旦留めます。
そのままタイヤを回し、音がするまではめ込みましょう。
③チェーンとタイヤを繋いだ地点をスタートとして、対角線上にゴムを掛けていきましょう。
出っ張っているフックにゴムを掛ける時は、コツとして滑り止めの手袋や軍手を使うと
力が入りやすく、ゴムを引っ張り上げやすいかと思います。
④全部のフックに掛け終わればゴムチェーンの装着が完成です。
重要なのは、この際、タイヤの中心にゴムの丸印が出来ているかどうかですから、
しっかり確認して下さいね。
さて、冬用タイヤチェーンについての知識を少しでも得ることが出来たでしょうか。
今まで準備したことのない方も、
今年の冬に備えて専門知識を持った方・家族と相談しながら
自分で気に入ったチェーンやタイヤを選んでみては如何でしょうか。