2014年にソチで開かれた冬のオリンピックの記憶は
まだ皆さんの脳裏に焼き付いているかと思います。
世代交代の始まったフィギュアスケートや、
毎回迫力に圧倒されるスノーボード。
さて、そんな冬季オリンピックの目玉とも言える競技のひとつがスキーです。
スキー競技にもアルペンや、クロスカントリーと雪面を走る競技にも様々ありますが、
今回は「カーブの美しさ」に特化し、生み出されたアルペンスキー用のスキー板である、
カービングスキーについてまとめていきます。
気になるカービングスキーって何?
カービング、という名からお分かりのように、
このスキー板は如何に美しくカーブを曲がれるかを考えて作られたスキー板です。
通常のスキー板でカーブを曲がる際は、スキー板の先端と尾の通り道がズレます。
しかし、このカービング板を使うと、同じ通り道を走るように設計されている為、
一層スピードを落とさずとも、カーブが曲がれてしまう優れものなのです。
競技を見てもお分かりのように、スピードで勝負の付くスキー競技においてカーブは、
大きな差が開いてしまう重要ポイントのひとつです。
ここをスピードを付け、且つスムーズに曲がれた者が、その先に進めるとは思いませんか?
それでは気になるスキー板の作りはどうなっているのでしょうか?
カービングスキーの原理はスキー板の中央の幅がやや狭く作られており、
端と尾が広いことです。
この作りにより、円を描くように曲がることが出来るのですね。
かつて通常のスキー板では、Redisで表される円弧が10~20mと長かったのですが、
カービングの美しいカーブを描くような作りが取り入れられてからは
10~20mと短くなっています。
おかげで、スキー靴も柔らかくなり、こちらの動きにスキー板が合わせられるようになり、
エッジを立てることでカーブが曲がり易くなっているのですね。
体重に合わせた板を選ぼう
カービングスキーに限らず、現在では、身長に合わせてスキー板を選ぶのではなく、
スキーの実力と共に体重で選ぶことが一般化しています。
その前に確認しておきたいのが、カービングスキー板の種類です。
カービングスキーのタイプは、大きく分けて4種類あります。
①イージーカーブ
こちらは、カービングの感触を身体に覚えさせるスキー板で、
カービング用では、ランクが最も下で馴染み易いのが特徴です。
靴周りは、カーブしやすいように柔らかめです。
カービングスキー自体が、スキー初心者に向いている訳ではありませんので、
ある程度スキーが滑れるようになってから使用しましょう。
②プレカーブ
イージーカーブの1つ上級になるのが、プレカーブです。
プレカーブはカービングスキー板の中で最も使用されている確率の高い、
一般的なカービングスキー板とも言えるでしょう。
ゲレンデでも歩き易いことも特徴で、
大人から子供まで愛用しているスキー板です。
③エクストリームカーブ
いよいよ本格的なカービングスキーに挑戦だ!と思ったら、
「極限のカーブ」が楽しめるとされるエクストリームカーブです。
こちらの特徴は、身体を押さえるストックを手にしないで、
スキー板のみで滑降を楽しめることです。
体を低姿勢にして、バランスを取ることで
スノーボードに近いスリル感をたっぷり味わえそうですね。
④レースカーブ
こちらはその名の通り、競技用のスキー板です。
一般的なスキー板よりもカーブが大きいのが特徴になっているので、
慣れない内は走行しにくいかもしれません。
しかし、プロがこの板を使うとこの鋭利なカーブを有効に活用する為
スピードに格段の差が付くようです。
さて、スキー板の種類を選びましたら肝心の体重で自分に見合った長さを決めます。
身長ばかりに目が向いていたスキー板ですが
滑り落ちるスポーツとですから、当然体重の重い方がスピードも速くなる、
との理由からなのですね。
また、体重が重すぎるとスキー板にも負担が掛かりますから、
ある程度の強度が必要となります。
目安としましては、
①一般体重の男性で、初心者の方は155cm~165cmのスキー板を選びましょう。
②初心者を卒業し、ある程度滑れるようになったら
少し大きいサイズの、170cmまでチャレンジ出来そうです。
③女性であれば、150cm台の身長からの標準体重である、
50kg台であれば、スキー板は身長とほぼ同じ、145cm~150cmです。
中級レベルに達してからは、150cm~155cmの板に挑戦してみましょうね。
カービングスキーは初心者でも出来るのか
私もそうなのですが、カービングスキーどころか、
スキー自体が滑れない程の初心者にはカービングスキーは
オススメ出来ないかもしれません。
なぜなら、カービングは、スキー板のエッジを横に倒す必要があるからなのです。
カーブしやすいからと転び方も分からない内から、
カービングスキーを始めようとするのは大怪我の元です。
カービングスキーは、通常のスキーよりもスピードが出やすい為、体力も使います。
木に激突することがないように、十分気を付けて下さいね。
初心者の方でも、スキーを滑る際のハの字型ではなく、
片足をぎゅっと内股にして、つま先のエッジを雪の上に立てることで
簡単にカービングスキーのノウハウを手に入れることが出来ます。
また、年配の方のグループもあるようですので、
スピードに酔わない方は、是非楽しんで下さい。
初心者向けのカービング練習はどうすればよい?
スキー自体に慣れてきましたら、片足ターンの練習をしてみましょう。
片足のみで、軸にならない方の足の力を抜いて
スキー板のコントロールが出来るようになってくれば、
カービングターンの際に足を思い切り内側に傾ける際の恐怖がなくなり、
バランスも掴みやすくなるでしょう。
スキーに関して言えば、緊張しすぎると足が固まってしまい付いてきませんので、
エッジが雪に引っ掛かってしまうというミスを起こす引き金にもなりかねません。
ですので、初心者・中級者問わずとも何度も片足ターン練習を繰り返して、
カービングスキーの上級者を目指しましょう。
さて、カービングスキーへの知識を少しでも読み取ることが出来ましたでしょうか。
今後は、スキーの滑走スピードの迫力だけではなく、
スキー選手のカーブ時の足元にも注目してみましょう。
新たな発見と、スキー上達への鍵がそこにあるのかもしれません。